降臨せよ、波導の勇者よ! とんボルカリオ構築
・まえおき
とある事情で実機でのレートに潜れない環境になってしまい、悔しくなってPokemon Showdown(以下SD)で回していた構築を今回公開します。最高レートは1583(2位)です。
・コンセプト
後攻とんボルから高火力のルカリオを展開、制圧する構築です。補完に優れたランドと組み合わせると、ランドルカリオ+1の積みサイクルの形に見えるというのはもはや有名な偽装で、どちらかというと択を迫ることを意識してこの並びにしています。ボルチェン枠としては対マンムー、ギルガルドを意識してヒートロトム、重いリザードンやバシャーモへの解答としてチョッキマリルリを採用し、ルカリオでは厳しいボーマンダ軸やサンダーへの対抗策としてジャローダとバンギラスを裏選出に添えてこの構築が完成しました。
・個別解説
ルカリオ@メガ石 陽気
146(4)-197(252)-108-x-90-180(252)
インファ/アイアンテール/バレパン/身代わり
この構築の表エース。有利対面を作ってインファを撃つのが仕事で、何回インファを撃てたかが勝敗に直結します。等倍相手はもちろん、半減相手でも生半可な耐久では受け出しを許さず、身代わりを盾にしてリザードンやラティオスをインファ2回で殴り倒すこともしばしばありました。
技はメインウェポンのインファとアインテ。ゲンガーに通り、珠ゲッコウガの氷技に後出しして狩れるバレパン。バシャーモの守るを咎めたり、ナットの起点回避電磁波を避けたりできて便利な身代わり。ボルトやアローへより高打点の取れる神速が欲しくなることはありましたが、剣舞の必要性は感じませんでした。身代わりは一度残せるとイージーウィンできるのでオススメです。
アインテは波導の力で必中だと信じて戦いましょう。
ランドロス@ゴツメ 呑気
196(252)-165-155(248)-125-101(4)-101(4)
地震/岩石封じ/蜻蛉/めざ氷
レートができない鬱憤からヤケになって採用した呑気両刀めざ氷ランド。明らかに厳選不可能な個体を採用できるのはSDの特権です() 主に相手のガブリアス、ランドロス受けや、ガルーラの削りを担当します。めざ氷以外のバシャーモやリザXにも強いですが、不安定なので一任することはできません。ランドルカリオの積みサイクルを意識してか、相手のマンムー等のランドに強いポケモンを初手に呼びやすく、その選出誘導が非常に強力でした。
技は地震、封じ、蜻蛉に関しては言うことがありません。めざ氷は氷4倍勢を2発で倒すために入れており、対マンダの起点回避にもなるので選出のしやすさにも繋がっています。一方で、ステロや毒が欲しい場面がかなりあったためこの枠は要検討です。レートで使う場合は普通の腕白ランドでも十分でしょう。
ヒートロトム@たべのこし 穏やか
157(252)-x-127-125-154(100)-125(116)
ボルチェン/オバヒ/鬼火/めざ氷
S:最速バンギラス抜き
サイクル回し、削り、鬼火による起点作成などを器用に全てこなしてくれるポケモン。特に、ルカリオに強いボルトロスに後出しする機会が多かったため、行動回数を稼げる穏やか残飯型を採用しました。スイクンの熱湯もほぼ2耐えするので、場合によっては後出しもできます。鬼火による削り+物理火力下げが思っていたよりも強く、マンムーやバンギラスをジャローダの起点に仕立て上げるという活躍も多かったです。
技はルカリオを降臨させるためのボルチェン、遂行技のオバヒ、削り兼起点作成の鬼火。めざ氷はボルト→ガブに一貫することや、マンダの身代わりを確実に割ることを意識して採用しました。毒や10万、電磁波など欲しい技がたくさんあり、技スペが足りないポケモンだということを痛感しました。
マリルリ@チョッキ 勇敢
207(252)-112(252)-100-x-101(4)-57
滝登り/アクジェ/じゃれつく/叩き
いつもの嫁枠。主に意識しているのはめざ氷バシャ、ウルガモス、リザードンですが、それ以外でも多くの相手と撃ち合ってくれる頼りになるポケモンです。補完に困ったらこいつを入れとけば良い、と普段から思っているくらいには信頼しています。技については特筆すべき点がありません。強いて言えば、マリルリ(特にチョッキ)は滝登りがある個体が抜群に使いやすいということくらいでしょうか。
ジャローダ@帯 臆病
151(4)-x-116(4)-126(248)-116(4)-180(248)
リフスト/竜の波動/めざ炎/身代わり
蛇睨みを切ってまでして全抜きに特化したジャローダ。高速から繰り出される威力130、C+2のチート技と広い技範囲は単純ながら強力で、数多のPTを壊滅させてきました。特に、ジャロに後出しできるポケモンがボーマンダやナットレイだけのPTはこの3Wジャロになす術なく、イージーウィンが可能です。持ち物が帯なのは+2竜波でマンダに確定1発を取るため。もちろん珠でも良いですが、珠ダメがどうしても気になったので帯にしています。火力不足を感じたことはありませんでした。
技はメインウェポン兼積み技のリフスト。範囲を取るための竜波とめざ炎。身代わりは電磁波避けや、相手の捨てを咎める手段として使います。マンダの後出しタイミングで身代わりをするとメガ進化で抜かれてしまうので、そこではリフストを押すことを意識していました。S12から参戦した零度スイクンにも圧倒的に強くなるのでオススメのポケモンです。
バンギラス@メガ石 陽気
175-216(252)-171(4)-x-140-135(252)
エッジ/地震/冷P/竜舞
S10のPTから続投の竜舞3Wバンギラス。ルカリオとの攻撃面の補完に優れていて、ルカリオがダメならバンギ、という選出がしやすかったです。ジャロとの積みサイクルの形を取ることが多く、ジャロが止まるアローやヒトムを起点にして全抜きを目指します。重いブシンに弱いこと以外は優れた第2メガ枠でした。
技はお祈りしながら押すメインウェポンのエッジ。ルカリオを見て出てくるガルドに刺さる地震。積み技の竜舞。冷Pは出すことの多いボーマンダ軸に強くなるとともに、受けループも意識しています。ロトムに鬼火をもらってしまいそうな場面で身代わりが欲しくなることもありましたが、受けループを切るのが嫌だったので冷Pにしています。
・選出と立ち回り
相手のガブリアスをランドロスで、ボルトをヒトムでみてルカリオを通します。初手で出てくるガルーラはまず間違いなく氷技持ちなので、ルカリオガルーラ対面では同速を厭わずにインファで突っ張ります。ガモス入りに対してはマリルリを出すこともあります。
相手の初手はマンダかマンムーなことが殆どなので、どちらとも戦えるヒトムを先発させます。マンダならめざ氷で安易な身代わりを咎め、マンムーなら鬼火でジャロの起点にするのが基本です。
バシャーモ自体はさほど苦労せずに止められますが、裏のサンダーの突破が厳しいです。初手ルカリオバシャ対面を作って身代わりできればイージーウィンできるので、狙ってみるのもありかもしれません。また、ランドかヒトムに毒があると勝つのが楽になります。
対カバルドンorラグラージ始動積みサイクル 選出:ジャロマリルリ+1
初手ジャロカバ対面で押してくるのはほぼ欠伸なので、身代わりで咎めに行きます。後続の積みATもマリやランドで止まってくれる相手が多く、比較的楽な相手と言えます。
対壁積みサイクル
実はやったことがありません。おそらくジャロを軸になんとかしにいく展開になります。
対受けループ 選出:ジャロバンギヒトムorマリルリ
積みサイクルの要領で倒しに行きます。バンギグライ対面で安易に舞うと身代わりからTODされかねない(SDではありませんが)ため、冷Pから入るのが良いでしょう。ラッキーはルカリオの圧力から出て来にくく、草枠がナットレイになっているような構築はジャロで余裕です。
・重いポケモン
HDオボン悪巧みボルトロス
後出しするヒトムが起点にされてしまい、苦戦を強いられます。
ローブシン単体ならどうにでもなりますが、サンダーやマンダと組まれると動きづらいです。
絶望的なまでに重いです。一番まともに戦えそうなのがなんと炎タイプのヒトム。先述の通り、ランドに氷技を撃たせて後出しルカリオのバレパンで狩りに行くことがあります。
勝てません。同様の戦い方をするポイヒガッサは、後攻ボルチェンor蜻蛉からのルカリオ身代わり等を使うか、ジャローダで処理できます。
・選出率
ヒトム>>ルカリオ=ジャローダ≧ランドロス≧マリルリ>バンギラス
電気タイプが強いです(n回目)
・運用雑感
とんボルからの展開と積みサイクル展開という2つの大きな軸を持っており、勝ち筋が複数あって手広いのが私の好みに合っていました。特に3W身代わりジャローダの全抜き性能が際立っており、零度やミラコをぶっぱしてくる不届きなスイクンを咎めるためにも、とてもオススメできるポケモンです。
また、ランドルカリオをはじめとした選出誘導が機能していると感じたことが多く、初手マンムーを誘って起点にしたり、ルカリオが勝てないギルガルドがヒトムランドバンギの圧力に屈して出てこなかったりして勝利に貢献していました。
・あとがき
派手なギミックがなく、ガブガルボルトのように圧倒的なパワーがあるわけでもありませんが、環境のほぼ全ての構築と戦える渋い玄人好みな構築だと思っています。実機レートで使っていただいたり、さらに感想をいただけたりすると泣いて喜びます。
質問等のある場合はコメントにてお願いいたします。
【選出・立ち回り講座】 補足記事
ドラフト甲子園 PT考察
・はじめに
今ポケモン界で話題となっているドラフト甲子園。既に参加者によってドラフトが行われ、それぞれのPTが決定しています。この記事ではそのPTについて評価、考察します。
・評価形式
パワー、カスタマイズ性能、メタ耐性をそれぞれ4段階(SABC)で評価し、所見を述べ、総合力を判定します。
以下、常体となります。
・個別考察
蒼鳥さん
シャンデラ/ゲッコウガ/メタモン/ビビヨン/ライチュウ/マルノーム
パワー:C
カスタマイズ:B
メタ耐性:C
かなり個性的なメンツ。目に付くのはライチュウやマルノームの麻痺撒き、アンコールからビビヨンや縮小シャンデラに繋ぐ展開であるが、逆に言うとそれしかない。相手のPTがほぼ固定されているこの大会形式では、メタられやすいのは致命的と言えよう。更に、自らのシャンデラを取られて、メタにすり抜けを利用される危険性もある。奇襲をかけやすいゲッコウガの活躍に期待したい。
総合力:C
アシキさん
ファイアロー/サンダー/ラティオス/ローブシン/エルフーン/カメックス
パワー:A
カスタマイズ:A
メタ耐性:B
スペックのあるポケモンでまとめられているが、スタンとして戦うとなると電気の一貫が気になり、メガ候補筆頭がカメックスであることがそれを助長してしまっている。普通にサイクルを回すだけでなく、ラティの壁やエルフーンのサポートからローブシンやアローで積むこともできるため、構築の選択肢は広め。逆に相手にステロを撒かれてアローに舞われると全抜きされるため、こちらのアローを陽気にするなどの対策を取りたい。
総合力:A
afouさん
ゲンガー/水ロトム/マンムー/トゲキッス/エンテイ/エルレイド
パワー:B
カスタマイズ:S
メタ耐性:A
器用なポケモンが多く誤魔化し範囲が広い一方、まともな殴り合いになると数値負けしやすいPT。ゲンガーを中心に、いかに相手の攻撃をいなしていくかが勝負となるため、扱いが非常に難しい。相手の水ロトムがかなり重いPTで、キッスやマンムーに簡単に後出しを許すと苦戦は必至なので、立ち回りにも繊細さが求められる。
総合力:A
あゆみんさん
アブソル/ソーナンス/ユキメノコ/マッギョ/エアームド/ニョロボン
パワー:C
カスタマイズ:B
メタ耐性:A
基本的にどのポケモンも殴り合いの性能は低いので、ソーナンスやユキメノコで1:1を取っていくか、ソーナンスで起点を作ってアブソルで舞う展開で戦うことになる。相手の特殊技持ちアブソルを止められるのが、ナンスで無理やりアンコか道連れ、スカーフニョロボン、アブソルで同速勝ちくらいなのが不安要素。強い先制技持ちは限られており、それらが少ないこのルールではアブソルの爆発力に期待したい。
総合力:B
あわさきさん
ヘラクロス/ランドロス/ニンフィア/サザンドラ/メタグロス/エモンガ
パワー:S
カスタマイズ:S
メタ耐性:A
スタンダードとしての強さは随一であり、エモンガやニンフィア、サザンドラのサポートから爪研ぎグロスを展開することもできる。型が多いポケモンが多いため、相手へのメタもしやすい。こちらのポケモンを相手に取られて壊滅させられるようなこともないだろう。マンムー、バシャーモなど、個別で突き刺さるポケモンはいるため、相手に合わせて上手くPTを調整したい。
総合力:S
ELEZYさん
ギルガルド/ギャラドス/火ロトム/ブリガロン/フライゴン/ペロリーム
パワー:B
カスタマイズ:A
メタ耐性:A
ギャラガルドを中心に無難にまとめたPT。火ロトムの壁からギャラガルドペロリームを展開するか、普通にサイクルを回して戦うことになるだろう。綺麗に回せれば完勝も狙えるが、全体的にSが低く誤魔化しが効きにくい。互いに補完しあっているので、取られて困るポケモンはいない。
総合力:A
こんのさん
クレセリア/ボーマンダ/ライコウ/キュウコン/カイリキー/エンペルト
パワー:A
カスタマイズ:A
メタ耐性:C
愛を感じるキュウコンクレセで、ドラフトで思い通りに指名できたPT。各々のスペックは高く、正面からの殴り合いでは優位に立てることが多い。しかし、ライコウがあまりに重いPTなので、瞑想ショッククレセ、チョッキカイリキー、陽気マンダなどで常に意識しておく必要がある。器用なポケモンが多いのでメタはしやすい。
総合力:A
さみさん
フリーザー/チルタリス/フシギバナ/ハッサム/テラキオン/エレザード
パワー:B
カスタマイズ:B
メタ耐性:B
メガ枠3体が目立つ。非メガとなるのは第一感ハッサムだが、地味にエレザードがいるためバナとエレザードで晴れを活かす形にもできる。バナは、全体的にスペックの低いポケモンが多いこの大会では活躍しやすいが、肝心の補完が微妙なため、どちらかというと見せポケとして活用していきたい。
総合力:B
サントスさん
バシャーモ/化身ボルトロス/エムリット/サーナイト/ドンファン/ミロカロス
パワー:A
カスタマイズ:B
メタ耐性:A
こういった大会で刺さりやすいバシャーモを最大限活かそうとしたPT。絶対に相手にバシャーモを取らせないという執念が見える。サーナイトによって相手の搦め手にも強いが、PT全体としての形は一つなので意表は突きにくい。エスパーを2体採用したために補完が窮屈なのと、化身ボルトロスが刺さり気味なのが気になるところ。
総合力:A
スタンさん
リザードン/バンギラス/クレッフィ/モジャンボ/オオスバメ/ペンドラー
パワー:B
カスタマイズ:A
メタ耐性:B
リザードンがいるので実質7体。ずるい。リザードンが使いにくい理由の殆どがガブリアスなので、この環境では活躍できそう……だったのだが、バンギラスを選んだしまったために常に相手のバンギに怯えなければならない。他の軸としてはペンドラー+クレッフィの毒菱軸があるように見えるが、メタがなされるのは確実なので出せるとは思えない。むしろ、突然の加速バトンでメガバンギに繋ぐなどの奇襲が面白そうだ。スペックとしては他のPTに劣るので、大エースリザードンを上手く押し付けていきたい。
総合力:B
テイトさん
ガブリアス/ヤドラン/ヒードラン/ビリジオン/バルジーナ/デンリュウ
パワー:A
カスタマイズ:B
メタ耐性:B
大正義ガブリアスの一本釣りができたのは大きいが、自分のPTにもガブリアスが刺さってしまっている。鉢巻ガブを受けられるのはメガヤドランだけなので、デンリュウの採用は失敗だったのではなかろうか。戦い方はドランドランを中心としたサイクルになりそうだが、ヤドランのトリルからデンリュウを展開することもできる。スタン要素が強いので、立ち回りが重要になりそうだ。
総合力:B
でんそんさん
クチート/カイリュー/ジャローダ/ニョロトノ/キングドラ/ゴウカザル
パワー:S
カスタマイズ:A
メタ耐性:A
よくまとまっている雨+クチートのPT。相手に奪われて致命的になるポケモンもいない。トノグドラの雨選出、クチートカイリューの対面寄りの選出を持っているほか、ゴウカザルのサポートから竜舞カイリューなどを展開することもできるため、引き出しが多くピンポメタを通しにくい。唯一の不安要素は、メインウェポンの命中が不安定なポケモンが多く、運負けを誘発しやすいこと。
総合力:S
ペリカンさん
ポリゴン2/スイクン/キノガッサ/霊獣ボルトロス/アグノム/ドータクン
パワー:B
カスタマイズ:B
メタ耐性:B
メガ枠がいないのが致命的。レボルトスイクンの並びは強力だが、メガポケが絡んでこないためイマイチ迫力がない。相手からエースを奪って、そのポケモンを中心にPTを構成することになりそうだ。アグノム、ドータクンとサポートに長けたポケモンが2匹いるが、逆に言うと2匹いる理由が薄くて枠の無駄に見える。ここをどう活かすかが腕の見せ所。
総合力:B
マツさん
ガルーラ/ウルガモス/ラグラージ/パルシェン/ライボルト/ユクシー
パワー:A
カスタマイズ:B
メタ耐性:C
奇跡のガルーラ一本釣りで、囲い込み疑惑があちこちで囁かれているとかいないとか。PTの形としてはガルーラ入り積みサイクルといった感じだが、この構成ならマンダやリザを使った方が良かったような気がしないでもない。相手のガルーラが重いPTでもあり、私にはガルーラ指名のデメリットの方が大きいように思える。第2メガ枠のライボルトは裏のランドロスやスイクンと合わせて初めて活躍できるポケモンなので、サイクルを回しにくいこのPTでの採用は疑問。むしろ、拘りすりかえで起点を作る奇襲要員として見た方が面白そうだ。
総合力:B
まっちゃとさん
デデンネ/ナットレイ/ラティアス/シャワーズ/ファイヤー/コジョンド
パワー:B
カスタマイズ:B
メタ耐性:B
まさかのドラフト1位デデンネ。PTとしてはメガラティスタンといった感じで、豪快に殴り倒すというよりは詰ませることを意識した構成である。特にシャワーズの溶けるバトンからメガラティアスを出せれば非常に強力だ。相手のメガラティアスが重いので、スカーフコジョンドやナットレイで上手く誤魔化したい。
総合力:B
Refuさん
マリルリ/ルカリオ/カバルドン/マニューラ/オンバーン/ムウマージ
パワー:B
カスタマイズ:B
メタ耐性:C
カバルカリオを中心に据えたPT。普通に使えばそれなりに強そうだが、このルールではメタがきつく、また、相手のマリルリにあまりに弱い並びになってしまっている。マリルリにSを多く振るなどして何としてでも止めたい。カバだけでなく、オンバーンのすりかえやムウマージの鬼火などサポートは豊富なので、とにかくルカリオで積んで勝機を見つけるのが最善だろう。
総合力:C
・おわりに
いかがでしたでしょうか?このドラフトルールに一番のキモは、相手のポケモンを一匹採用できるという点で、そこを意識できていたかどうかでPTの完成度に差がついているように思われます。相手の6匹が見えていてメタのはりやすいルールなので、どんな奇想天外なメタが出てくるか楽しみです。質問等ありましたら、コメントかツイッターにてお願いいたします。
S10 最高2045 ガブリアス、クロスサンダー!
・まえおき
S10の後半で使っていた構築です。そこそこ自信のあった並びなので、不甲斐ない結果にショックを受けていますが、一応の節目として公開します。
・構築を組んだ経緯
ガルーラの型の多様化が進み、もはや普通の物理受けでは役割を果たせなくなってきたので、まずガルーラを上から叩けるゴツメガブの採用を考えました。しかし、対面からだと氷技を撃たれて悲しいことになるので、ガルーラに猫騙しを強要でき、物理受けによる介護の必要が薄いメガヘラクロスを採用し、その補完としてサンダー、マリルリを組み込みました。
ここまでで重いのが電気と受けループだったので、そのどちらとも戦える第2メガ枠としてメガバンギを採用。最後の鋼枠はかなり迷いましたが、ヘラに強いゲンガーやギルガルドに厚くすることを優先してヒードランを採用しました。
・個別解説
ヘラクロス@ナイト 意地っ張り
ミサイル針/インファ/ロクブラ/地震
実数値(メガ後):169-260-135-x-125-114
S:113こごかぜスイクン抜き
最近話題の陽気ではなく、普通の意地ヘラ。鉢巻ガブが重く、電磁波によるSサポートがあるこの構築では、Sが欲しい場面より耐久があって助かった場面が多かったです。
ガルドを見ても選出できるように地震を採用しましたが、タネガン、フェイント、寝言などが欲しい場面もあったのでこの枠は要検討。
サンダー@たべのこし 穏やか
十万/めざ氷/電磁波/羽休め
197-x-122-145-135-123
H-B:ステロ+A233フレドラ高乱数耐え
H-D:C194眼鏡悪の波動確定2耐え
S:準速ガッサ抜き
ヘラクロスのベストパートナー。メガヘラ軸の電気枠としてはボルトロスが多く見受けられますが、私は電気枠に電磁波を撒かせて捨てると負け筋が増えると考えているため、高耐久値で羽休めのあるサンダーを採用しました。持ち物を残飯にしている理由としては、有利な相手に何度も後投げすることが多いこと、ロトム等に鬼火を当てられた時でも余裕ができやすいことなどが挙げられます。相手を詰ませる場面もあり、非常に強いポケモンでした。
マリルリ@チョッキ 意地っ張り
滝登り/じゃれつく/アクジェ/叩き
実数値:207-112-100-x-101-70
いつもの。ヘラサンダーの並びに一貫しやすい炎や竜に強く、サンダーの電磁波との相性もなかなかでした。相変わらず広い範囲と撃ち合えて頼りになりますが、耐えるはずの攻撃を急所にもらって倒れることが3度もあったので戦犯です。でも可愛いから許す。
ガブリアス@ゴツメ 陽気
地震/流星群/岩石封じ/ステロ
185-165-127-94-105-169
H-B:A194親子愛捨て身耐え
C:接触+流星群で183-105ガブリアスが確定
†陽気両刀ゴツメガブリアス†
ボーマンダに気軽に撃てる竜技として流星群を採用したゴツメガブです。立ち回りはしやすかったものの、火力が悲しいくらい低かったです。(封じ+流星でガッサが落ちない)
主な繰り出し対象はガルーラで、ヘラクロスに撃たれる猫騙しをこちらのアドにします。万一グロパンをされても相討ちにできるので、対ガルーラ枠としては安定していました。初手のヘラガルーラ対面で雪崩を押してくるガルーラはギルティです。
ステロは使う機会があまりなかったので、最低限の崩しができるように剣舞を入れてもいいかもしれません。
バンギラス@ナイト 陽気
エッジ/地震/冷P/竜舞
実数値(メガ後):175-216-170-x-141-135
ここまでで重い電気や受けループに比較的強い第2メガ枠。実際にはヒードランの鬼火サポートから物理を起点に舞うことが多かったです。
エッジを当てさえすれば最強のポケモンでした。
ヒードラン@風船 控えめ
オバヒ/めざ氷/鬼火/挑発
実数値:165-x-126-200-127-128
浮いてて相手の竜にも鋼にも強くてバンギのサポートもできる贅沢鋼枠。技構成が読まれにくく、風船だけ割ってめざ氷で落ちていくボーマンダが続出しました。流行りのチョッキマンムーやゴツメマンムーには上から鬼火できます。
半分ネタのつもりで採用した個体ですが、予想よりずっと強くて驚きました。普通の構築への採用は難しいかもしれませんが、地雷枠としての採用は十分にアリだと感じました。
・選出と立ち回り
対ガルーラ軸
選出はヘラガブ+サンダーorマリルリ。ヘラクロスでガルーラの猫騙しを誘い、ガブを合わせてアドを稼ぐことでサイクルを有利にします。ヘラガルーラ対面で氷技を撃たれたら台パンします。
対ボーマンダ軸
選出はヘラサンダー+マリルリorヒードラン、またはドランバンギ+1。相手にローブシンがいる場合は前者で、いない場合は後者です。ボーマンダはバンギで起点にする、ドランやサンダーで対面処理、サンダーで電磁波を当てて後続で処理のいずれかで対応します。安易な電磁波や鬼火で身代わりを残されることにだけ気を付けておけば優勢です。
対バシャーモ軸
選出はマリルリ+サンダーガブヘラから2匹。バシャーモに電磁波を当てるか、ヘラとナットの対面を作れば一気に崩せます。
対ステロ積みサイクル
選出はヘラマリルリ+サンダーorガブ。カバルドンに好き勝手やらせない立ち回りを意識して立ち回ります。起点になるポケモンが少ないので簡単に負けることはありません。
対受けループ
選出はバンギヘラマリルリ。ヘラとマリルリでうまく削ってバンギで一掃を狙います。対策が薄いので勝率は低いです。
・重いポケモン
ラムジャローダ
全体的にSが低いため、サンダーの電磁波が効かないと大きな誤算になり、全抜きされます。
ヘラサンダーが睨みを効かせているため被選出率は低かったですが、ヘラにタネガンがないため、いざ出されると処理に苦労しました。
選出率の高いサンダーが有効打を持っていないため、苦しいサイクルになりやすいです。
・選出率
サンダー>マリルリ≧ヘラクロス≧ヒードラン≧ガブリアス>バンギラス
大正義電気タイプ。
・あとがき
今シーズンは久しぶりにヘラクロスを使いましたが、ガルーラより遅いポケモンの厳しさを実感しただけで終わりました。遅いPTは誤魔化し性能が低いため、非常にシビアな立ち回りを要求されるのが辛かったです。
質問等ありましたら、コメントかツイッターにてお願いいたします。
ガルーラの修正について
6世代になってから議論の絶えないメガガルーラの修正について、思うところを述べます。
1.ガルーラに修正は必要か?
結論から言えば、修正は必要だと思います。グロ捨て身による崩し性能、猫捨て身不意による対面性能、グロ不意による抜き性能、どれを取ってもトップの存在であるガルーラは、ポケモン対戦の可能性、多様性を狭めています。
私はシングルプレーヤーですが、ダブルを専門とする方の記事を拝見する限り、ガルーラはダブルバトルでもシングルと同等、いやそれ以上に「最強」のポケモンのようです。PGLのKPランキングでも1位にずっと居座っていますが、これは複数採用しづらいメガ枠としては明らかに異常です。
たまにTwitterなどで「ガルーラの修正を望むほど強さが分かってるなら使えば良い」等の意見(ネタのつもりで言っている人もいるかもしれませんが)を見かけますが、少なくとも私は自分の勝率云々という自己中心的なものを理由として、ガルーラの修正を望んでいるわけではありません。ガルーラの性能を落とした方が、より環境が面白くなるのではないかと思っているから提言しているのです。
2.修正案
今までに見たことのある修正案や、私の考えをいくつか挙げ、それぞれ考察してみます。
①親子愛の倍率を下げる
単純明快かつ確実に効果を望める案です。例えば2撃目の倍率を親の0.3倍にすれば、A194グロパン+捨て身でHBクレセリアが中乱数程度になったり、ライコウを猫+不意で落とせなくなったりします。
ただ、火力は周りによる削りなどで比較的簡単に補強できてしまうため、場合によっては「緩い」弱体化になってしまう虞があります。
②2撃目の追加効果と急所を没収する
ガルーラ強さの源である、2回の追加効果判定を没収して弱体化を図ろうというものです。岩雪崩や冷凍パンチによる運ゲーや、グロパンからの崩しと縛りに悩まされることが減り、一番効果的な修正案とも考えられます。
でも、それではメガガルーラの意味がありません。
ただ火力を上げるだけの特性なら他にいくらでもあります。2回攻撃による2回の追加効果判定こそがガルーラ(親子愛)のアイデンティティーであり、それを失くしてしまうと本当につまらないポケモンになってしまうでしょう。ポケモンの個性を潰すような修正案が最良だとは、私は決して思いません。
③特定の技を没収する
ガルーラの強さの一つである豊富な技を減らし、弱体化を図ろうとする案です。この案の優れたところは、親子愛の仕様変更等とは違い、公式に発表する必要がない点です。ゲームバランス調整を失敗しましたと宣言するような公式発表をするよりは実行しやすい案だと言えるでしょう。
特に私が推すのは「ふいうち」の没収です。ガルーラは猫不意、グロ不意と2つの違った角度からの縛りが非常に強力であり、それ故に誤魔化されにくいポケモンになっています。不意打ちの没収によって「ガルーラを何とか処理できるルート」が増えればPTの幅が広がり、また、いわゆる紙耐久ポケモンの活躍の機会も増えるのではないでしょうか。
3.まとめ
私は「ガルーラの修正は必要」であり、その修正としては「不意打ちの没収が適当」であると考えています。
もちろん他の意見もあるでしょうし、筋の通ったものなら是非聴いてみたくもあります。この記事を読んでどう思われるかは自由ですが、何か意見がありましたら、私の目の届くところに書いて頂けると幸いです。
【初心者用記事】Ⅱ-ⅱ 構築編 各種構築紹介
今回も引き続き構築紹介をしていきます。紹介するのは受けループ、運ゲー構築、特殊構築です。
4.受けループ
①受けループとは?
高耐久のポケモンを多く採用し、相手を詰ませることで勝利を目指す構築です。対策の薄い相手は殆ど完封できるものの、勝てない相手にはなす術がないこともあるほど尖っています。
②主流の並び
ラッキー(orハピナス)、グライオン、メガヤドランを中心としており、取り巻きにバンギラス、エアームド、ギルガルド、ブラッキー、メガフシギバナ、ポリゴン2などが採用されます。潰し枠としてメザリザXやメガゲンガーの採用も一定数います。
限られた枠で重いポケモンのメタを行わなければならないため、その選択には環境への嗅覚とセンスが問われます。
③構築例
http://ch.nicovideo.jp/zawatheworld/blomaga/ar789763
(S9最終8位のざわーるど氏の受けループ)
http://makurimak.hatenablog.com/entry/2015/05/12/230346
(S9で最高2127達成のまくりま氏の純正受けループ)
5.運ゲー構築
①運ゲー構築とは?
別名害悪構築。麻痺や混乱、ムラっ気などを駆使し、有利な運ゲーを押しつけることで勝利を目指します。最後まで勝ち筋を残せるのが強い反面、メタやTODに弱めです。
②主流の並び
起点作りとしてジャローダ、化身ボルトロス、クレッフィなど、積みエースとしてオニゴーリ、ピクシーなどが採用されます。メガ枠は秘密の力によって起点作成ができ、選出誘導力の高いメガガルーラが一般的です。枠が余りがちなので、裏選出を作って相手に選出択を強います。
③構築例
http://samuragouchi.hatenablog.com/entry/2015/05/12/133944
(S9最終4位のセンゴク氏のジャロゴーリ)
http://vnpoke.blog.fc2.com/blog-entry-13.html
(S9最高2151のVN氏のジャロゴーリライド)
6.特殊構築
①特殊構築とは?
かなり特殊な勝ち方を目指す構築を総称してこう呼ぶことにします。具体的には猫の手パ、ゲンガナンス、毒菱パなどが存在します。
②主流の並び
特殊構築筆頭は、悪戯心からの猫の手で確実にキノコの胞子を使ってハメるレパルガッサメタモンです。亜種としてレパルドーブルメタモンなども存在します。裏選出としてはバンドリュゲンガー(マンダ)がよく採用されます。
他に挙げられるのは滅びの歌+影踏みのコンボで数的有利を取ろうとするゲンガナンスで、その補完としてはポリゴン2が殆どの場合採用されます。裏選出で多いのはメガリザードンY+ガブリアス+キノガッサの並びです。
③構築例
http://mfmfyy.hatenablog.com/entry/2015/05/10/012701
(S9最高2137達成のまふゆゆ氏の毒菱構築)
http://kevinnnnnnnnnn2.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
(S9最高2071達成のけびん氏のゲンガナンスポリ2)
http://ichigopoke.blog.fc2.com/blog-entry-28.html#more
(S8最終9位のいちご氏のレパガッサメタモン)
如何でしたでしょうか?次回からは個々の構築について、組み方や対策などを書いていきたいと思います。
【初心者用記事】Ⅱ-ⅰ 構築編 各種構築紹介
今回からは構築編です。初めに現環境で使われている構築を大きく種類分けして紹介し、その後それぞれについて詳しく説明する形で書いていきます。今回はその前者です。
1.対面構築
①対面構築とは?
相手に技を使ってアドバンテージを取ることのできない「交換」という選択肢をなるべく避け、対面による1匹1殺を目指したり、役割集中で一貫を取ろうとする構築のことです。
②主流の並び
メガ枠としては対面最強と言っても過言ではないガルーラが採用されることが圧倒的に多く、その補完としてガブリアス、ファイアロー、ボルトロス、ギルガルド、ゲンガー、スイクンなどが組み込まれます。いくら対面構築とは言っても交換したいことはあるので、最低限の耐性の補完や誤魔化しは行うのが一般的です。
現環境で唯一といってもいいトリックルーム軸のポリ2クチートも、どれかと言われれば対面構築に入ります。(ここは意見の分かれるところ)
③構築例
http://geek1020.hatenablog.com/entry/2015/03/21/224742
(シーズン8最終1位のGeek氏のガブガルアロー)
http://advantagesv.blogspot.jp/2015/02/131.html?m=1
(第131回九尾杯優勝のvan氏のガブガルボルト)
http://vnpoke.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
(S8最高2204のVN氏のポリ2クチート)
2.サイクル構築
①サイクル構築とは?
対面構築とは対照的に、安全な交換を行うことで有利対面を多く作り、勝利を目指す構築です。おそらく最も多い構築であり、スタンダードなものです。
②主流の並び
大きく分けると2つで、メガライボルトやメガボーマンダを採用して3匹でサイクルを回す構築と、2匹でサイクルを回し、蜻蛉返りやボルトチェンジによってメガガルーラやメガバシャーモを安全に繰り出す構築に分かれます。
3匹で回す構築に多いのはメガライボルト+ナットレイ+ランドロス+スイクンやメガボーマンダ+マンムー+ヒートロトムなどで、2匹で回す構築に多いのはメガバシャーモ+サンダー+ナットレイやライコウ+ランドロス+メガガルーラの並びです。
③構築例
http://bottle-poke.hatenablog.com/entry/2015/05/11/000000
(S9最高2150のぼとるん氏のライコウランド)
http://almond-beginer-1500-ibaru.hatenablog.com/entry/2015/05/11/205441
(S9最高2147のアーモンド氏のバシャサンダーナット)
http://azumarill.hatenablog.com/entry/2015/05/12/235646
http://clanonpk.hatenablog.com/entry/2015/05/13/000016
(S9最高2094のアンディ氏のライボランド)
3.積みサイクル
①積みサイクルとは?
ステルスロック、壁などの補助から積みエースで次々と展開することで勝利を目指す構築です。対策の薄い相手にはイージーウィンすることができます。
②主流の並び
ステロ要員としては、マンムー、バンギラス、カバルドン、ランドロス、ガブリアス、ナットレイ、アグノムなど、壁要員としてはライコウ、アグノム、ラティオス、クレッフィなどが主に採用されます。必ずしも壁とステロを両方入れる必要はありません。
積みエースとして多いのは、メガリザードンX、メガルカリオ、メガボーマンダ、メガギャラドス、メガバンギラス、パルシェン、ウルガモス、カイリュー、霊獣ボルトロス、ギルガルドなどです。
③構築例
http://kabarukakingdam.hatenablog.com/entry/2015/03/17/134633
(S8最高2287のえるふー氏のカバルカカイリュー)
http://tekitoukousatu.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
(S8最高2213の玉乃枝 樹氏のバトンパ)
http://elephantear753.blog.fc2.com/blog-entry-10.html
(S8最高2126のタロイモ氏のライコウローブ)
今回はここまでとなります。次回は受けループ、運ゲー構築、特殊戦術の構築を紹介したいと思います。
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