降臨せよ、波導の勇者よ! とんボルカリオ構築
・まえおき
とある事情で実機でのレートに潜れない環境になってしまい、悔しくなってPokemon Showdown(以下SD)で回していた構築を今回公開します。最高レートは1583(2位)です。
・コンセプト
後攻とんボルから高火力のルカリオを展開、制圧する構築です。補完に優れたランドと組み合わせると、ランドルカリオ+1の積みサイクルの形に見えるというのはもはや有名な偽装で、どちらかというと択を迫ることを意識してこの並びにしています。ボルチェン枠としては対マンムー、ギルガルドを意識してヒートロトム、重いリザードンやバシャーモへの解答としてチョッキマリルリを採用し、ルカリオでは厳しいボーマンダ軸やサンダーへの対抗策としてジャローダとバンギラスを裏選出に添えてこの構築が完成しました。
・個別解説
ルカリオ@メガ石 陽気
146(4)-197(252)-108-x-90-180(252)
インファ/アイアンテール/バレパン/身代わり
この構築の表エース。有利対面を作ってインファを撃つのが仕事で、何回インファを撃てたかが勝敗に直結します。等倍相手はもちろん、半減相手でも生半可な耐久では受け出しを許さず、身代わりを盾にしてリザードンやラティオスをインファ2回で殴り倒すこともしばしばありました。
技はメインウェポンのインファとアインテ。ゲンガーに通り、珠ゲッコウガの氷技に後出しして狩れるバレパン。バシャーモの守るを咎めたり、ナットの起点回避電磁波を避けたりできて便利な身代わり。ボルトやアローへより高打点の取れる神速が欲しくなることはありましたが、剣舞の必要性は感じませんでした。身代わりは一度残せるとイージーウィンできるのでオススメです。
アインテは波導の力で必中だと信じて戦いましょう。
ランドロス@ゴツメ 呑気
196(252)-165-155(248)-125-101(4)-101(4)
地震/岩石封じ/蜻蛉/めざ氷
レートができない鬱憤からヤケになって採用した呑気両刀めざ氷ランド。明らかに厳選不可能な個体を採用できるのはSDの特権です() 主に相手のガブリアス、ランドロス受けや、ガルーラの削りを担当します。めざ氷以外のバシャーモやリザXにも強いですが、不安定なので一任することはできません。ランドルカリオの積みサイクルを意識してか、相手のマンムー等のランドに強いポケモンを初手に呼びやすく、その選出誘導が非常に強力でした。
技は地震、封じ、蜻蛉に関しては言うことがありません。めざ氷は氷4倍勢を2発で倒すために入れており、対マンダの起点回避にもなるので選出のしやすさにも繋がっています。一方で、ステロや毒が欲しい場面がかなりあったためこの枠は要検討です。レートで使う場合は普通の腕白ランドでも十分でしょう。
ヒートロトム@たべのこし 穏やか
157(252)-x-127-125-154(100)-125(116)
ボルチェン/オバヒ/鬼火/めざ氷
S:最速バンギラス抜き
サイクル回し、削り、鬼火による起点作成などを器用に全てこなしてくれるポケモン。特に、ルカリオに強いボルトロスに後出しする機会が多かったため、行動回数を稼げる穏やか残飯型を採用しました。スイクンの熱湯もほぼ2耐えするので、場合によっては後出しもできます。鬼火による削り+物理火力下げが思っていたよりも強く、マンムーやバンギラスをジャローダの起点に仕立て上げるという活躍も多かったです。
技はルカリオを降臨させるためのボルチェン、遂行技のオバヒ、削り兼起点作成の鬼火。めざ氷はボルト→ガブに一貫することや、マンダの身代わりを確実に割ることを意識して採用しました。毒や10万、電磁波など欲しい技がたくさんあり、技スペが足りないポケモンだということを痛感しました。
マリルリ@チョッキ 勇敢
207(252)-112(252)-100-x-101(4)-57
滝登り/アクジェ/じゃれつく/叩き
いつもの嫁枠。主に意識しているのはめざ氷バシャ、ウルガモス、リザードンですが、それ以外でも多くの相手と撃ち合ってくれる頼りになるポケモンです。補完に困ったらこいつを入れとけば良い、と普段から思っているくらいには信頼しています。技については特筆すべき点がありません。強いて言えば、マリルリ(特にチョッキ)は滝登りがある個体が抜群に使いやすいということくらいでしょうか。
ジャローダ@帯 臆病
151(4)-x-116(4)-126(248)-116(4)-180(248)
リフスト/竜の波動/めざ炎/身代わり
蛇睨みを切ってまでして全抜きに特化したジャローダ。高速から繰り出される威力130、C+2のチート技と広い技範囲は単純ながら強力で、数多のPTを壊滅させてきました。特に、ジャロに後出しできるポケモンがボーマンダやナットレイだけのPTはこの3Wジャロになす術なく、イージーウィンが可能です。持ち物が帯なのは+2竜波でマンダに確定1発を取るため。もちろん珠でも良いですが、珠ダメがどうしても気になったので帯にしています。火力不足を感じたことはありませんでした。
技はメインウェポン兼積み技のリフスト。範囲を取るための竜波とめざ炎。身代わりは電磁波避けや、相手の捨てを咎める手段として使います。マンダの後出しタイミングで身代わりをするとメガ進化で抜かれてしまうので、そこではリフストを押すことを意識していました。S12から参戦した零度スイクンにも圧倒的に強くなるのでオススメのポケモンです。
バンギラス@メガ石 陽気
175-216(252)-171(4)-x-140-135(252)
エッジ/地震/冷P/竜舞
S10のPTから続投の竜舞3Wバンギラス。ルカリオとの攻撃面の補完に優れていて、ルカリオがダメならバンギ、という選出がしやすかったです。ジャロとの積みサイクルの形を取ることが多く、ジャロが止まるアローやヒトムを起点にして全抜きを目指します。重いブシンに弱いこと以外は優れた第2メガ枠でした。
技はお祈りしながら押すメインウェポンのエッジ。ルカリオを見て出てくるガルドに刺さる地震。積み技の竜舞。冷Pは出すことの多いボーマンダ軸に強くなるとともに、受けループも意識しています。ロトムに鬼火をもらってしまいそうな場面で身代わりが欲しくなることもありましたが、受けループを切るのが嫌だったので冷Pにしています。
・選出と立ち回り
相手のガブリアスをランドロスで、ボルトをヒトムでみてルカリオを通します。初手で出てくるガルーラはまず間違いなく氷技持ちなので、ルカリオガルーラ対面では同速を厭わずにインファで突っ張ります。ガモス入りに対してはマリルリを出すこともあります。
相手の初手はマンダかマンムーなことが殆どなので、どちらとも戦えるヒトムを先発させます。マンダならめざ氷で安易な身代わりを咎め、マンムーなら鬼火でジャロの起点にするのが基本です。
バシャーモ自体はさほど苦労せずに止められますが、裏のサンダーの突破が厳しいです。初手ルカリオバシャ対面を作って身代わりできればイージーウィンできるので、狙ってみるのもありかもしれません。また、ランドかヒトムに毒があると勝つのが楽になります。
対カバルドンorラグラージ始動積みサイクル 選出:ジャロマリルリ+1
初手ジャロカバ対面で押してくるのはほぼ欠伸なので、身代わりで咎めに行きます。後続の積みATもマリやランドで止まってくれる相手が多く、比較的楽な相手と言えます。
対壁積みサイクル
実はやったことがありません。おそらくジャロを軸になんとかしにいく展開になります。
対受けループ 選出:ジャロバンギヒトムorマリルリ
積みサイクルの要領で倒しに行きます。バンギグライ対面で安易に舞うと身代わりからTODされかねない(SDではありませんが)ため、冷Pから入るのが良いでしょう。ラッキーはルカリオの圧力から出て来にくく、草枠がナットレイになっているような構築はジャロで余裕です。
・重いポケモン
HDオボン悪巧みボルトロス
後出しするヒトムが起点にされてしまい、苦戦を強いられます。
ローブシン単体ならどうにでもなりますが、サンダーやマンダと組まれると動きづらいです。
絶望的なまでに重いです。一番まともに戦えそうなのがなんと炎タイプのヒトム。先述の通り、ランドに氷技を撃たせて後出しルカリオのバレパンで狩りに行くことがあります。
勝てません。同様の戦い方をするポイヒガッサは、後攻ボルチェンor蜻蛉からのルカリオ身代わり等を使うか、ジャローダで処理できます。
・選出率
ヒトム>>ルカリオ=ジャローダ≧ランドロス≧マリルリ>バンギラス
電気タイプが強いです(n回目)
・運用雑感
とんボルからの展開と積みサイクル展開という2つの大きな軸を持っており、勝ち筋が複数あって手広いのが私の好みに合っていました。特に3W身代わりジャローダの全抜き性能が際立っており、零度やミラコをぶっぱしてくる不届きなスイクンを咎めるためにも、とてもオススメできるポケモンです。
また、ランドルカリオをはじめとした選出誘導が機能していると感じたことが多く、初手マンムーを誘って起点にしたり、ルカリオが勝てないギルガルドがヒトムランドバンギの圧力に屈して出てこなかったりして勝利に貢献していました。
・あとがき
派手なギミックがなく、ガブガルボルトのように圧倒的なパワーがあるわけでもありませんが、環境のほぼ全ての構築と戦える渋い玄人好みな構築だと思っています。実機レートで使っていただいたり、さらに感想をいただけたりすると泣いて喜びます。
質問等のある場合はコメントにてお願いいたします。