りんのポケモン研究室

サイクル戦をこよなく愛するシングル勢 Twitter @Fomalhaut6

【考察】なぜ役割論理は弱いのか

・はじめに

    ポケモンプレーヤーなら一度は目にしたことがあるでしょう、「んんwwwwwS振りはありえないwwwww」などと叫ぶ人たちを。彼らは役割論理と呼ばれる考えを信じて戦っています。しかし、レート上位にはそのような構築は見受けられないのが現実です。それがなぜなのかを考察したいと思います。


・役割論理とは?

    ポケモンバトルを交代戦(サイクル戦)であると捉え、勝つためには相手のサイクルを早く崩すことに特化すべきだという考えです。そのために、交代戦において不要なSを軽視し、遂行の遅い補助技を一切捨て、耐久と攻撃に偏ったポケモン選びや努力値振りを行います。例えば、あのラティオスですらHC控えめにするのがテンプレだとされています。詳しくは役割論理wikiをご覧ください。

    「ポケモンは全て交代戦になるわけではないから役割論理は不完全だ」と言うのは簡単ですが、ここではあえて、役割論理が絶対の自信を持っている交代戦に限って考察します。


・弱さ①   勝利条件

    ポケモンバトルの勝利条件はいたって簡単。相手のポケモンを全て倒すことです。そのゴールを目指すために、火力を追求して相手のサイクルを早く崩せる役割論理は優れたものに見えます。

    しかし、何も自分からゴールに近づくのが最速であるとは限りません。ゴールを自分に近づけるのも重要なことです。具体的に言うならば、こちらの一匹で相手の三匹を全て倒せる状況を作れば則ち勝ちであり、その状況を作りやすくするのが素早さの高いポケモンや先制技持ちなのです。100mを10秒で走るのが役割論理であるならば、走る距離を50mにして8秒で走るのが優れたスタンパです。

    

・弱さ②   誤魔化し

    ポケモンバトルには誤魔化しという要素があります。簡単に言うと、「あるポケモンに対して、対策とまでは言えないが何とか戦える方法」のことです。受けループ使いのミカソさんのブログに分かりやすく書いてあるので、詳しくはそちらをご覧ください。

    そして、役割論理は誤魔化しという点において他の構築に大きく劣っています。他のポケモンで削り、早いポケモンで上から叩いて処理するという最強の誤魔化しルートが使いにくく、高耐久ポケモンに有効な毒々も無く、S関係を逆転できる電磁波もありません。戦術が多く、全てを完璧に対策するのが不可能な今、誤魔化し要素の少なさは戦える相手の少なさへと直結します。


・弱さ③   事故率

    役割論理は相手のサイクルを素早く崩すため、一部を除いて命中を無視して技を採用しています。役割論者に言わせれば、10万ボルトは雷の劣化であり、波乗りはハイドロポンプの劣化です。彼らは「必然力」によって技が当たると唱えていますが、実際にそんなことはなく、高い事故率の原因となります。また、素早さが遅いせいで被弾数が多いため、急所による事故も付きまといます。事故による負けは「事故だから仕方ない」と軽視しがちですが、その事故率も含めての構築の強さなのです。


・おわりに

    おかしなところもある役割論理ですが、「相手に有利なポケモンを出して殴る」という考え方はポケモンの基本であり、初心者や初級者がポケモンに慣れるためにはちょうどいいものです。ただ、それ以上を目指すならやはり他の視点も必要になってくるでしょう。

    意見や質問がありましたらコメントにてお願いいたします。